1. フィリポの概要
フィリポは新約聖書に登場する使徒の一人で、特に使徒言行録での活動が記録されています。彼は最初の七人の執事の一人として知られ、エルサレム教会の初期の指導者として重要な役割を果たしました。
使徒言行録 6:5
「そこで、彼らはこのことを全体に満足させるようにし、彼らの中からフィリポという名の男を選んだ。このフィリポは、信仰と聖霊に満ちていた。」
2. フィリポの選任
フィリポは、エルサレムの教会が急速に成長する中で、信者たちの食事の配分を管理するために選ばれた七人の執事の一人です。この選任は、教会の実務を効率的に行うための重要なステップでした。
使徒言行録 6:2
「使徒たちは、弟子たちを呼び寄せ、こう言った。「私たちが神の言葉を語ることをやめて、食事の配分に仕えるのは、良くないことです。」
使徒言行録 6:3
「そこで、兄弟たちよ。あなたがたの中から、聖霊と知恵に満ちた、評判の良い七人を選びなさい。」
3. フィリポの伝道活動
フィリポはエルサレムを離れ、サマリアでの伝道活動を行いました。彼は多くの人々に福音を伝え、奇跡を行うことで神の力を示しました。サマリアの人々は彼の教えに耳を傾け、多くの人が信仰を持つようになりました。
使徒言行録 8:5
「フィリポはサマリアの町に降りて行き、そこでキリストを宣べ伝えた。」
使徒言行録 8:6
「群衆は、フィリポの語ることを聞き、行われるしるしを見て、心を一つにして彼に従った。」
使徒言行録 8:7
「多くの人々に霊に取りつかれた者が出て行き、また多くの足の不自由な者や、えんせきのある者が癒された。」
使徒言行録 8:8
「この町には大きな喜びがあった。」
4. エチオピアの宦官との出会い
フィリポの最も有名なエピソードは、エチオピアの宦官との出会いです。神の導きによってフィリポはエチオピアの宦官に出会い、彼にイザヤ書を解き明かし、イエス・キリストについて教えました。この出会いは、異邦人への福音の広がりを象徴しています。
使徒言行録 8:26
「主の天使がフィリポに言った。「立って、南方へ向かい、エルサレムからガザに下る道を行きなさい。」彼は立ち去って行った。」
使徒言行録 8:30-31
「フィリポが走り寄って、彼が読んでいるこの預言者イザヤの書の中で何を理解しているのかと尋ねた。彼は答えた。「どうして私が理解できるでしょうか。誰かが私に説明してくれなければ。」」
5. 洗礼の実施
フィリポは宦官に福音を伝えた後、彼を洗礼しました。これは信仰の告白として重要な行為であり、彼の信仰の成長を象徴しています。
使徒言行録 8:36-38
「彼らが水のある所に来たとき、宦官は言った。「見よ、水があります。私が洗礼を受けることを妨げるものがあるでしょうか。」フィリポは言った。「あなたが心から信じるなら、できます。」彼は答えた。「私はイエス・キリストが神の子であることを信じます。」それから彼は命じて、車を止めさせ、二人は水の中に下り、フィリポは彼を洗礼した。」
6. フィリポのその後の活動
フィリポはその後、神により、別の場所に移されました。彼の後の活動についての具体的な記録はありませんが、彼の伝道活動は多くの人々に影響を与えたことは明らかです。
使徒言行録 8:39
「二人が水の中から上がったとき、主の霊がフィリポを奪い去った。宦官はもはや彼を見なかったが、喜びのうちに道を進んだ。」
使徒言行録 8:40
「フィリポはアゾトに出現し、そこから通りを歩いて、カイザリアに向かって宣べ伝えた。」
7. フィリポの信仰の遺産
フィリポは、初期のキリスト教における重要な使徒であり、彼の伝道活動は福音の拡大に寄与しました。彼の信仰と行動は、後のクリスチャンにとっても模範となり、異邦人への伝道の重要性を教えています。
使徒言行録 21:8
「翌日、私たちはフィリポという名の福音を宣べ伝える者に行きました。」
フィリポの物語は、神の導きに従う信仰の重要性を教え、また異邦人への福音伝道の重要性を示すものとして、今日のクリスチャンにとっても大切なメッセージとなっています。彼の信仰の旅は、神の恵みと導きが常に私たちに共にあることを教えています。
