概要:新改訳聖書は、日本聖書刊行会によって翻訳され、1970年に初版が発行されました。その後、翻訳の正確性をさらに高めるために改訂を重ね、2017年に最新の「新改訳2017」が登場しました。
背景と特徴:
翻訳方法:原典に忠実な「直訳法」を基に翻訳されていますが、日本語としての流れも重視しています。これは原文のニュアンスを崩さずに伝えることを目指した結果で、特にプロテスタント系の学術的な場で評価されています。
表現:新改訳の日本語は比較的現代的で、分かりやすさも兼ね備えていますが、信仰的な深みや敬虔さも意識されています。敬語を多用せず、自然な日本語で表現されています。
主な使用層:
- 特にプロテスタント教会や聖書研究の場で推奨されています。信徒や聖書学者にも愛用者が多く、信仰の深い理解を求める方に適しています。
おすすめポイント:
- 学びを深めたい初心者にとっても読みやすく、神学的な知識を深めていきたい人におすすめです。初学者から研究者まで幅広い層に支持されており、プロテスタントの教義に近い内容を理解するには最適です。
概要:日本で広く普及した最初の口語聖書で、1955年に発行されました。この訳は、戦後の日本語改革や表現の改訂を反映して、より多くの人々に読みやすくすることを目指しました。
背景と特徴:
翻訳方法:口語訳は、戦後の時代背景に合わせて作成され、話し言葉に近い口語的な表現が取り入れられました。そのため、今日では少し古めかしく感じられる表現が含まれていますが、敬意と伝統が感じられる言い回しが魅力です。
表現:敬語や古風な言葉があり、聖書をより格式ある文学作品として感じることができます。この訳の「御名(みな)」など、重厚感のある言葉遣いが特徴です。
主な使用層:
- 長らくプロテスタント教会で用いられ、過去には多くの教会で標準として使われてきましたが、新改訳や他の現代的な訳が普及したことにより使用頻度は減っています。
おすすめポイント:
- 歴史的な聖書の雰囲気を感じながら読みたい人や、特に過去のプロテスタントの伝統を尊重したい方にとっては良い選択です。
概要:1987年に、カトリック教会とプロテスタント教会の協力で翻訳されました。2018年には最新改訂「共同訳」が発行されています。
背景と特徴:
翻訳方法:新共同訳は、プロテスタントとカトリック両方の協力により、教派を超えた統一的な訳として翻訳されました。原文の正確性を保ちつつも、日本語の自然な表現と読みやすさを追求しており、多くのキリスト教徒に親しまれています。
表現:現代日本語に合わせた、平易で分かりやすい表現が使われており、初めて読む方でも違和感なく読み進めることができます。
主な使用層:
- カトリック・プロテスタント問わず、幅広く使用されています。教会だけでなく学校教育や聖書研究の場でも多く採用されています。
おすすめポイント:
- 初心者向けの日本語訳として最も人気があり、内容もわかりやすいので、特に初めて聖書に触れる方に最適です。
概要:1978年に発行された、カトリックに特化した新約聖書の翻訳です。文学的な表現とカトリック信仰の精神性を重視しており、美しい日本語で翻訳されています。
背景と特徴:
翻訳方法:言葉の一つ一つに敬意が込められ、信仰の霊的な意義を重視した表現が特徴です。カトリック教会での使用を意図しており、心の中で神に向き合う祈りや瞑想に適しています。
表現:敬虔な心をもって読むことを想定した表現が多く、美しい日本語表現が魅力です。
主な使用層:
- 特にカトリック信者や、静かな祈りの時間に聖書を使いたい人に愛用されています。
おすすめポイント:
- 心に響く文学的な表現が特徴で、カトリックの伝統に基づく聖書解釈に触れたい方に適しています。
概要:1611年に完成した英語聖書の代表的な翻訳で、現在も英語圏で広く使われています。
背景と特徴:
翻訳方法:王室公認の翻訳で、神聖で美しい表現を多用しています。KJVの翻訳は、原典の韻律や詩的表現を大切にし、文学的価値が非常に高いです。
表現:16〜17世紀の古典的な英語で書かれており、「Thou shalt not…」など、古い英語表現が特徴です。
主な使用層:
- 信仰が深い人々や、伝統的な教会の礼拝で多く使われており、特に保守的なキリスト教徒に人気があります。
おすすめポイント:
- 美しい英語表現を楽しみたい人や、歴史的な価値を感じたい人には非常におすすめですが、現代的な言葉に慣れている人には少々難解です。
概要:1978年に完成した、現代英語で翻訳された人気のあるバージョンです。
背景と特徴:
翻訳方法:標準的な「直訳法」を採用し、英語圏の多くの教会や個人に広く受け入れられています。NIVは翻訳において神学的な中立性を意識し、広範な宗派で使用されています。
表現:読みやすい現代英語で記述されており、特に日常の読書に適しています。
主な使用層:
- 初心者や教会の一般信徒、英語を学んでいる人にも広く利用されています。
おすすめポイント:
- 分かりやすく、英語が母語でない人にも読みやすいので、初心者に非常に適しています。
概要:1996年に発行され、口語的で分かりやすい意訳版として支持されています。
背景と特徴:
翻訳方法:NLTは
、文章の意味を分かりやすくするための「意訳法」を採用しています。これは内容を理解しやすくするためで、学びや祈りの場でよく使われます。
表現:親しみやすく、現代英語で書かれているため、一般的な文学作品のように読むことができます。
主な使用層:
- 日常的な祈りや学びに使用され、若年層や初心者にも受け入れられています。
おすすめポイント:
- 優しい言葉で書かれており、理解しやすいため、初めて聖書を手に取る方に向いています。
このように、日本語と英語で異なる聖書の訳を選ぶ際は、信仰や学びの深さ、翻訳の方法や使用するシーンに応じたものを選ぶとよいでしょう。