1. ノアの誕生と家族背景（創世記 5:28-29）
ノアはラメクの子として生まれ、彼の名は「安らぎ」を意味します。ラメクはノアの誕生に際して、彼が地を耕す苦しみを取り去る者であることを予告しました。
創世記 5:28-29
>「ラメクは百八十二歳になってノアを生んだ。ラメクは言った、『この者が我々の手の働きから、地を耕す苦しみを取り去ってくれるであろう』。彼は主からの呪いを受けた地で生まれたからである。」
2. ノアの信仰と義人としての生活（創世記 6:5-9）
ノアは神の目に義とされ、悪が満ちた世の中で神に従う人物として描かれています。彼の信仰は、神との特別な関係を示しています。
創世記 6:5-9
>「主は地上の人の悪が極まり、その心に思い巡らすすべてのことが、常に悪であるのを見て、主は地を創造したことを後悔し、人間を地の表から滅ぼすことに決めた。ノアだけが主の前に恵みを見いだした。ノアは正しい人であり、その時代にあって完全な人であり、ノアは神と共に歩んだ。」
3. 神の警告と箱舟の建設命令（創世記 6:11-18）
神はノアに対して、地の悪行を告げ、滅ぼす計画を伝えます。ノアは神の命令に従って、箱舟を作るよう命じられます。
創世記 6:13-14
>「神はノアに言った、『全地はその中に人の悪が満ちており、私は彼らを滅ぼすことに決めた。あなたは自分のために箱舟を作りなさい。木はゴフェルの木で作り、箱舟を作る。内と外を漆で塗る。』」
4. 箱舟の建設と神の約束（創世記 6:19-22）
神はノアに動物を箱舟に入れるよう指示します。ノアは神の命令に従い、忠実に行動します。
創世記 6:19-22
>「あなたは、すべての生き物のオスとメスを、あなたのところに持って来なければならない。生き物の種類に従って、あなたのために食物を用意しなさい。ノアはすべてを神が命じた通りに行った。」
5. 洪水の開始（創世記 7:1-12）
ついに神が洪水をもたらし、地は水に覆われます。ノアとその家族、そして選ばれた動物たちが箱舟に避難します。
創世記 7:1-4
>「主はノアに言った、『あなたとあなたの家族は箱舟に入れ。あなたは、この時代にあって私の前に義である者だから。あなたは、すべての種類の動物を、オスとメスを一緒に箱舟に入れなければならない。七日後、私は地上に四十日四十夜の雨を降らせる。』」
創世記 7:11-12
>「ノアの六百歳の年の第二の月の十七日に、すべての源が裂け、天の窓が開かれ、四十日四十夜雨が地に降り注いだ。」
6. 大洪水の間（創世記 7:17-24）
洪水は四十日間続き、地は完全に水に覆われました。ノアとその家族は箱舟の中で守られます。
創世記 7:17-20
>「洪水は四十日間地にあふれ、箱舟は水の上を漂った。水はさらに増し、地の高い山々をも覆った。」
7. 洪水の収束と神の約束（創世記 8:1-3）
神はノアを忘れず、風を吹かせて水を引かせます。ノアは箱舟から出る準備をします。
創世記 8:1-3
>「神はノアを思い出し、箱舟の中のすべての獣や家畜に風を吹かせ、水が次第に引いた。水は、百五十日の後に減り始めた。」
8. 箱舟からの出発（創世記 8:15-19）
神はノアに箱舟から出るよう命じ、彼は家族と動物たちを連れて地に降ります。
創世記 8:15-17
>「神はノアに言った、『あなたは箱舟から出て、あなたとあなたの妻、あなたの息子たち、あなたの息子たちの妻を連れ出し、地の上に生き物を増やし、地を満たしなさい。』」
9. ノアの祭壇と神の契約（創世記 8:20-22）
ノアは神に感謝の祭壇を築き、神は彼に対してもう二度と洪水で地を滅ぼさないことを約束します。
創世記 8:20-21
>「ノアは主に祭壇を築き、すべての清い獣と清い鳥を取り、祭壇の上で燔祭を捧げた。主は香ばしい香りを嗅ぎ、心の中で言った、『私は再び地を人のために呪わない。』」
創世記 9:11
>「私はあなたたちと、あなたたちの後のすべての者との間に私の契約を立てる。もう二度と洪水で地を滅ぼすことはない。」
10. ノアの農業とその後の出来事（創世記 9:20-27）
ノアは地に出て農業を始め、ぶどうを栽培しますが、酔って裸で寝るという出来事が起こります。これにより家族の間に問題が生じます。
創世記 9:20-21
>「ノアは土を耕し、ぶどうの木を植え、酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になった。」
11. ノアの祝福と呪い（創世記 9:22-27）
ノアの息子ハムが彼の裸を見て知らせたため、ノアはハムを呪い、他の息子たちを祝福します。この出来事は家族内の関係の複雑さを示しています。
創世記 9:24-25
>「ノアは自分の息子の行いを知り、彼を呪い、言った、『カナンは呪われよ。』」
12. ノアの位置づけ
ノアは信仰と従順の象徴であり、神との約束を受け継ぐ者として重要な役割を果たしました。彼の物語は、神が人類をどのように再生し、信仰の重要性を示すかを教えています。ノアは人々に対する神の怒りと、その一方で信仰に基づく救いのメッセージを伝えています。
ノアの生涯は、信仰の力と神の約束を信じることの重要性を強調しており、彼の行動は信者にとっての励みとなります。
13. 新約
聖書におけるノアの言及（マタイ 24:37-39）
新約聖書でもノアの例が取り上げられ、終わりの日における警告として用いられています。
マタイ 24:37-39
>「ノアの時代のように、人の子の来るのもそのようである。洪水が来る前に人々は食べたり飲んだり、結婚したりしていたが、ノアが箱舟に入るまで知らなかった。」
この物語は、信仰を持ち続けること、神の導きを求めること、そして神の約束を信じることの重要性を伝えています。ノアの物語は古代の教訓であるだけでなく、現代においても多くの人々に影響を与えています。
