1. ヨセフの誕生と父ヤコブの愛
ヨセフは、ヤコブの愛する妻ラケルから生まれたため、特に大切にされました。ヤコブはヨセフのために特別な色とりどりの長服を作り、それが兄弟たちの嫉妬を引き起こすきっかけとなりました。
「イスラエルは他のどの息子よりもヨセフを愛していた。これは、ヨセフが彼の年老いてからの子だったからである。そこで彼は彼のために袖の長い美しい服を作った。」（創世記37:3）
兄弟たちはヤコブがヨセフを特別扱いしていることに不満を抱き、彼に対して激しい嫉妬心を抱きました。
「兄弟たちは彼が父の愛を一身に受けているのを見て、彼を憎み、彼に対して優しい言葉をかけようともしなかった。」（創世記37:4）
2. ヨセフの夢と兄弟たちの嫉妬
神はヨセフに未来の予見となる夢を与え、ヨセフが兄弟たちに夢の内容を話すと、兄弟たちはさらに彼を憎むようになりました。
「ヨセフは夢を見てそれを兄弟たちに話した。すると彼らはますます彼を憎んだ。」（創世記37:5）
ヨセフの最初の夢は、兄弟たちが束ねた麦束が彼の麦束の周りに来てひれ伏すというものでした。
「彼は彼らに言った。『私が見た夢のことですが、私たちが畑で束を束ねていたら、私の束が立ち上がり、あなたがたの束が私の束の周りに来てひれ伏しました。』」（創世記37:7）
また、彼は太陽と月、そして十一の星が自分にひれ伏すという夢も見ました。この夢は兄弟たちだけでなく、父ヤコブさえも困惑させました。
「ヨセフはまた別の夢を見て、それを兄弟たちに話した。『今度は太陽と月と十一の星が私にひれ伏しました。』」（創世記37:9）
「父は彼を戒め、『おまえの見たその夢は何だ。私やおまえの母や兄弟たちが来て、地にひれ伏しておまえを拝むとでも言うのか』と言った。」（創世記37:10）
3. 売られたヨセフとエジプトへの旅
兄弟たちはヨセフに対する嫉妬心が募り、最終的には彼を殺そうとしますが、兄のルベンとユダの提案で、彼をイシュマエル人の商人に売り渡すことにしました。
「彼らはヨセフが近づいてくるのを遠くから見た。そして、彼が彼らのそばに来ないうちに、彼を殺そうとたくらんだ。」（創世記37:18）
「ミディアン人の商人たちが通りかかったので、彼らはヨセフを穴から引き上げ、銀二十枚で彼をイシュマエル人に売った。こうして彼はエジプトへ連れて行かれた。」（創世記37:28）
4. ポティファルの家での試練と神の祝福
エジプトに連れて行かれたヨセフは、ファラオの側近であるポティファルの家に仕えるようになり、神の加護を受けて、家全体の管理を任されるほどの信頼を得ます。
「主がヨセフと共におられたので、彼は成功し、エジプト人の主人の家に住んだ。」（創世記39:2）
しかし、ポティファルの妻がヨセフに言い寄り、彼を誘惑します。ヨセフは断固として彼女を拒みますが、彼女の逆恨みから無実の罪で牢に入れられることとなります。
「彼女は日々ヨセフに言い寄ったが、彼は聞き入れず、彼女のそばに寝ようとはしなかった。」（創世記39:10）
「ヨセフの主人は彼の話を聞き、怒り、ヨセフを捕らえて監獄に入れた。」（創世記39:19-20）
5. 監獄での神の加護と夢の解釈
牢に入れられたヨセフですが、主が彼と共におられ、監獄内で監督者から信頼され、囚人の管理を任されるようになります。そこでヨセフは王の酌人とパン職人の夢を解釈し、その解釈が正しかったことで彼の才能がファラオにまで知れ渡ることになりました。
「主がヨセフと共におられたので、彼は囚人監督の信任を得て、すべての囚人を任された。」（創世記39:21-22）
「ヨセフは彼らに言った。『夢の解き明かしは神のものです。どうか私に話してください。』」（創世記40:8）
6. ファラオの夢の解釈とエジプトの宰相への昇進
ファラオもまた夢を見て不安に駆られ、その夢の解釈を求めます。ヨセフは神の助けを求め、7年間の豊作とその後に続く7年間の飢饉の到来を予告しました。ファラオはこの予言を信じ、ヨセフをエジプトの宰相に任命します。
「ファラオはヨセフに言った。『神がこのすべてをあなたに知らせてくださったからには、あなたのように聡明で賢い者はいない。』（創世記41:39）
「こうしてヨセフはファラオの言葉に従い、エジプトの全地に穀物を蓄える計画を実行した。」（創世記41:48-49）
7. 家族との再会と赦しの心
飢饉がカナンにも及び、ヨセフの兄たちがエジプトに食料を求めて訪れます。ヨセフは最初は正体を明かさずに彼らを試しますが、最終的には彼らと和解し、家族をエジプトに招くことにしました。
「ヨセフは兄弟たちに言った。『私はヨセフです。お父さんはまだ生きておられますか。』」（創世記45:3）
「あなたがたは私に悪を企みましたが、神はそれを良いことに変え、今日のように多くの人を生かすためにしてくださいました。」（創世記50:20）
8. ヨセフの信仰と神の摂理
ヨセフは数々の試練を経ても、神への信仰を失わず、神の計画に忠実に生きました。彼の人生を通して、神の摂理と赦し、そして愛の力が証明されています。
class="ylwbox">「私は、私を見捨てることなく、神が私をここに置かれた理由があることを信じています。」（参考）
ヨセフの物語は、信仰と赦し、家族愛の重要さを教えると同時に、どのような困難の中でも神が共にいて導いてくださることを示しています。
