アダムとエバが神によってエデンの園に創造されて間もなく、人間の罪の歴史が始まりました。アダムとエバが知恵の木の実を食べたことで、二人は神の前に罪を犯し、エデンの園から追放されました。その後、二人の間には息子カインとアベルが生まれました。この物語は、エデンの園から離れ、罪と人間関係の摩擦を抱える世界で始まる人類の新しい段階を示しています。
カインとアベルはそれぞれ、神に対して捧げものをする機会を与えられました。カインは農業に従事し、地の作物を捧げました。一方で、羊飼いであったアベルは、自分の羊の初子とその脂肪を神に捧げます。聖書はこの奉納の場面について次のように語っています。
神がアベルの捧げ物には目を留め、カインの捧げ物は顧みなかったため、カインは非常に怒り、不満を抱きます。
カインの心が怒りと嫉妬に満たされているのを見た神は、彼に対して警告を与えます。神は、正しい行いをすることが重要であり、そうでなければ罪が彼を襲うことを警告します。
神はカインに罪の支配から逃れ、自己制御の重要性を説きますが、カインはこの警告を無視する道を選びました。
カインは弟アベルに「さあ、野に行こう」と言い、二人で野に出たとき、カインは怒りに駆られ、アベルを殺害しました。この出来事は人類史上最初の殺人であり、兄弟間の争いの象徴的な例として描かれています。
この行動により、カインは自らの手で罪を犯し、神の前に大きな罪人として立つことになります。
アベルの血が地に流れ、神はカインに対して尋ねました。「あなたの弟アベルはどこにいるのか?」カインは自らの罪を認めず、「私は弟の番人でしょうか」と答えますが、神はカインの罪を既に知っていました。神は、カインに対して裁きを宣告し、彼が地上での生活に苦しむことを告げます。
カインは地を耕しても実りがない状態になり、放浪の生活を余儀なくされます。
カインは神の裁きに恐れ、誰かに殺されるのではないかと懸念します。すると神は、カインを保護するしるしを与え、彼を殺そうとする者には七倍の報いがあると宣言します。
こうしてカインは、神の保護を受けながらも、罪の重荷を背負って地上を放浪することになります。
この物語は、神に対する献身の重要性、罪が人間の心に影響を及ぼす様子、そして罪の裁きとその後の神の赦しと保護について示しています。人間は罪に引き寄せられやすい存在である一方で、神はその人が正しい道を選べるように警告を与え、またその人を見捨てずに守り続けてくださる方であるというメッセージが込められています。