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創世記6章に記されているノアの方舟の物語は、人間の堕落した状態から始まります。神が天地を創造し、人間に楽園を与えたにもかかわらず、人間は神の望む道から外れてしまいます。世の中には暴力や不正が満ち、神の意図した純粋で平和な世界は失われてしまいました。人々は互いに悪意を抱き、貪欲や憎しみによって行動し、神に従わず自らの欲望を追求するようになりました。創世記にはその状況が次のように記されています。
この「思いはかることがみな、いつも悪いことばかりである」という言葉には、人類の深刻な道徳的・倫理的堕落が示されています。人間は生まれ持つ善意や互いへの愛を捨て、日常生活のあらゆる側面で悪を追求し始めました。神の目には、その状態が非常に嘆かわしいものでした。人間が創造された目的は、神と共に歩み、愛と義の心を持って生きることでしたが、彼らはその道を完全に外れてしまっていました。
神は創造主として人間が悪に染まることを望んではおらず、彼らが心の中で常に悪いことを考え、行動する姿を見るたびに深い悲しみを抱いていました。神は無限の愛と慈しみをもって人間を創造し、愛と祝福をもって生かされていました。しかし、創造物である人間がその愛を裏切り、互いを傷つけ合う姿は神にとって耐えがたいものでした。
ここでの「悔やみ、心を痛められた」という言葉は、人間に対する神の愛がどれほど深く、またその愛が裏切られたことへの苦悩がどれほど大きいかを表しています。「悔やむ」という表現には、単なる後悔以上の意味が含まれており、まるで親が子供の非行に心を痛めるような、愛情と絶望の入り交じった感情が込められています。神は、罪に堕ちた人類を見て、もはやその状態を見過ごすことができないと判断されました。
神は、世界を一度清め、再び命が生きる場所とするために、洪水を起こして地上のすべてを滅ぼす決意を固めます。この決意は神の正義を象徴しており、罪を裁く必要があるという信念に基づいています。
神の創造物である動物や鳥までも滅ぼすという決定には、当時の世界がどれほど堕落し、浄化が必要なほどの悪に満ちていたかが表れています。この厳しい決定は、神が悪を見過ごさず、正義の神であることを示すと同時に、人間の行動がどれほど深刻な影響を及ぼしていたかを強調しています。
そのような堕落した世界の中でも、神はまだ希望を捨てられませんでした。人類を完全に見限ることなく、神は一人の義人であるノアに目を留めます。ノアは「神と共に歩む」人であり、周囲の堕落した社会の中で正義を守り、神に忠実に従っていました。
ノアは、神の期待に応える唯一の人間として、方舟建設の任務を受けます。このことは、神がまだ人類に対して愛と希望を抱き、すべてを滅ぼすのではなく、新しい始まりの可能性を与えたいと願っていたことを示しています。ノアとその家族を通じて、神は人類に再生のチャンスを与えようとしたのです。
神が人類に対して抱いていた失望と悲しみは、深い愛情から来ていました。彼は義と悪を区別し、悪に対しては裁きを行う一方で、義なる者には救いの道を用意しました。このようにして、ノアの方舟の物語は神の正義と慈悲が同時に示されたものであり、後の世代にとっての信仰と希望の象徴として語り継がれています。
ノアの方舟の物語において、神は「地上における人間の堕落」と「彼らの悪しき行い」を憂い、洪水による裁きを決定しました。しかし、神はすべての人間を一律に滅ぼすのではなく、信仰と義に生きたノアに目を留め、特別な使命を授けます。これはノアにとって巨大な試練であり、同時に神からの重要な選択の機会でもありました。神は、信頼するノアにだけ救済の方法を示し、具体的な方舟建設の指示を授けたのです。
方舟は、救済の場として神が細部まで設計したものであり、ノアは忠実にその仕様に従うことが求められました。方舟の構造について神は以下のような詳細な指示を与えています:
素材:神は「ゴフェルの木」を使用するよう指定しました。ゴフェルの木とは、密度が高くて水に強く、腐食に耐える特性を持つ木材と考えられ、洪水の激しい水圧に耐えられる丈夫な素材でした。
防水加工:方舟の内側と外側の両方に「ピッチ」を塗るように命じられました。ピッチは木材に防水性を与える樹脂のようなもので、洪水の水が内部に浸透するのを防ぐために欠かせないものでした。
サイズ:方舟の長さは300キュビト(約137メートル)、幅は50キュビト(約23メートル)、高さは30キュビト(約14メートル)と指示されており、当時の建築物としては巨大な構造物でした。このサイズにより、ノアと家族、さらには多種多様な動物と食料を収容できる空間が確保されました。
方舟の設計には三つの階層が設けられ、それぞれ異なる目的で使用されることが想定されました。一階は人々が生活する空間、二階と三階には動物と食糧が備蓄されました。すべての空間が有効に使われるよう計画され、また洪水中に方舟が安定するように重心が設計されています。
ノアにとって、方舟を建設することは非常に大きな信仰の試練でもありました。彼はこの命令を受けたとき、日常的な常識では考えられない未来の出来事に備えなければならず、人々の嘲笑や疑念に晒されながらも、一切のためらいなく神の命令に従いました。ノアの従順さは以下の一節に端的に表れています。
神の命令に従うことで、ノアは日々の生活の全てを方舟建設に捧げ、長年にわたり一心にその作業に取り組みました。この間、神の約束と使命がノアの信仰を支え、ノアとその家族は共に神の救済計画の一端を担うという使命に励まされました。
神は、方舟が人間だけのためではなく、地球上の生物すべての救済の場となるように設計しました。神はあらゆる種類の生物を一対ずつ方舟に入れ、彼らもまた洪水から守るように指示しました。
動物たちはそれぞれが異なる習性や生息地に適応しているため、すべての種を方舟に収容するためには、ノアとその家族が彼らの生活環境に配慮した特別な準備をしなければなりませんでした。また、食料の確保も重要な課題であり、動物ごとに異なる食性に合わせた飼料が大量に必要とされました。
洪水によって地上のすべての生命が滅ぼされるという厳しい裁きが下される中、方舟は神が信仰深い者に与えた唯一の希望であり、救済の象徴でした。ノアはその使命を果たすために神との契約を遵守し、未来のために命を守り続ける計画に従ってすべての準備を進めました。
この時、ノアは神が与える唯一の救済方法である方舟を完成させ、未来に向けての確かな希望と信仰を保ち続けたのです。ノアの方舟は、神の慈愛と救いの力を象徴し、後の時代においても「神と人間の信頼関係」を伝える大きな教訓として語り継がれています。
神からの指示に従い、ノアが方舟の建設を終えた時、いよいよ洪水が始まる時が来ました。これは地上の罪と悪に対する神の厳しい裁きの成就であり、同時にノアとその家族、そして方舟に乗せられた動物たちが新たな地上の命を繋ぐための試練の始まりでもありました。
洪水は「大いなる淵の源が裂け」て、地の奥深くから水が湧き出し、さらに「天の窓が開かれる」ことで、猛烈な雨が降り注ぐという二重の力で発生しました。これによって、地上のすべての土地は瞬く間に浸水し、洪水が急速に勢力を拡大しました。この二重の水の流れは、神が地の全体を覆う裁きを完全に行うことを象徴しています。
洪水が始まる前に、神はノアに対して家族と動物を方舟に避難させるよう命じました。神の言葉を受けて、ノアは指定された「すべての肉なるもの」のオスとメスを一対ずつ方舟に連れ込みました。また、清い動物と不浄な動物に関しても、神の指示に基づき、種を保存するためにそれぞれの数を定めて連れ込みました。
ノアと家族、そして動物たちがすべて方舟に収容されると、神が方舟の扉を閉じられました。これにより、方舟の中の者たちは神の手で守られ、外の者たちは裁きを逃れられない運命に置かれることになりました。この神自身が扉を閉じたという行為は、神の絶対的な裁きと救いを象徴し、外界からの災害から守られるノアの家族と動物たちにとって大きな安堵の時でもありました。
神の意志により、四十日四十夜、天から雨が降り続け、すべての地表を覆い尽くしました。雨は止むことなく降り注ぎ続け、その結果、山々の頂上までもが水で覆われ、地上の生物はすべて洪水に飲み込まれてしまいます。洪水の激しさは圧倒的で、何もかもが水の下に沈み、生物の命が絶たれる状況が続きました。
この洪水は地上のすべての生き物に対する神の裁きの成就であり、地上で生きるすべての生物が死に絶えることになりました。神が決意された裁きによって、命を持つすべての生物は息絶え、かつて地にあった生命の証がすべて消え去ったのです。
一方、方舟の中でノアとその家族、動物たちは神の守りのもと無事に過ごし続けました。嵐が荒れ狂う中でも、方舟の内部は神の加護により守られ、外の恐ろしい状況から隔絶されていました。ノアは信仰によって神の言葉を受け入れ、すべての指示に従ったため、彼とその家族、そして動物たちは生き残ることができたのです。
洪水が始まってからしばらくの時が流れました。方舟が水面を漂い続ける中、神は再び地を新たな時代に導く時が来たことを告げようとされていました。ノアとその家族、そして方舟に共に避難した動物たちは、ようやく新しい地上での生活を始める準備を整えていました。
四十日間の激しい雨が終わり、しばらく経った後、神は洪水の水が退き始めるように働きかけました。まず、神は「風」を地の上に送って水を引かせ始め、洪水が引いていく兆しが現れました。これは、神の愛と慈しみによる救いの象徴であり、再び命が息づく地を回復させるための第一歩でした。
洪水が引き始め、やがて方舟は地に着くことができるようになりました。方舟は水の引いた後、アララト山の上にとどまり、ここからさらに数か月間、完全に水が引くのを待つこととなります。ノアは水位が十分に下がり、地上が乾き始めるまで忍耐強く待ち続けました。方舟がアララト山にとどまったことは、洪水による裁きが終わり、新しい始まりが近いことを示しています。
方舟がアララト山にとどまっている間、ノアは地上が乾いて安全になっているかを確かめるため、まずカラスを放ち、次に鳩を送り出しました。最初に出された鳩は戻ってきましたが、二度目にはオリーブの葉をくわえて戻り、地上に緑が戻り始めていることを知らせました。三度目に送り出された鳩は戻らず、そのことでノアは地が安全になったと悟ります。この鳩のオリーブの葉は、新しい命と神の平和の象徴として、後の世にも伝えられることになります。
神の示しに従って、ノアと家族は方舟を出るよう命じられました。方舟から解放され、ノアは家族と共に地に降り立ち、動物たちもそれぞれ種を増やすために地上に放たれました。新しい命と希望が地上に満ちるこの瞬間、ノアとその家族は、神の保護と導きに深く感謝し、地に新たな命を広げていく使命を感じました。
地上に戻ったノアは、神への感謝を込めて祭壇を築き、清い動物と鳥を捧げて焼き尽くしの供え物としました。この行為を通して、ノアは神に対する深い感謝と信頼を示し、新たな時代に神の祝福を求めました。神はこの香ばしい香りを受け入れ、心に平安を抱き、人間に対する新しい約束を与えました。
ノアの捧げものを受けた神は、洪水のような大規模な裁きを再び行わないと約束されました。神は地を再び滅ぼすことを戒めとし、人類と地上のすべての生物が生き続けるための安定と秩序を保証しました。この新しい契約は、人類に対する神の慈悲と愛を示しており、人類が生きる限り地は再び水によって滅びないと宣言されました。
この新しい契約の証として、神は虹を空にかけ、これを契約の印としました。虹は、神が人間との約束を決して忘れないことの象徴であり、洪水のような大災害が二度と起こらないという神の誓いを意味します。虹が空にかかる度に、神は人類に対する慈悲と愛、そして再生と希望を再確認させます。
洪水の終息と神との新しい契約を通じて、ノアとその家族は新しい地上での生活を始めることとなりました。神は再び生き物が繁栄し、地が祝福されることを望んでおられ、地上の命が増え、繁栄することを支える環境を整えてくださいました。この契約は、神の永遠の愛と慈しみを象徴し、地上の命に対する神の配慮と保護を表しています。洪水の後、神の祝福のもと、地上には再び平和と豊かさが満ちるように導かれたのです。
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